お 隣 さ ん
     
   

       3丁目  田尻さん

 
   

この頃思っていること、思うこと、これは「私のひとり言」…………。私はキョロキョロするのが好きだ。でも頭の中身はいつも空ッポ、ついでに 懐も空ッポ、でも気にしない。「これでいいのだ!」
私は暗い所に住むダンゴ虫に似ている。外から触れられるとすぐ死んだふりをする。誰も見ていないとまたガサゴソ動き出す。人から期待もされず相手にもされずひっそりと生きている。「これでいいのだ!」

私は極めてものぐさである。まじめ・努力・一生懸命・ガンバル・こつこつなどの言葉は私の辞書にはのっていない。「これでいいのだ!」  
生活や仕事のために時間を生きるのが現役で、自分の時間を生きるのが隠居だとすると、今私は見習い中である。「これでいいのだ!」、淡々と、負わず、穏やかに歩きたい。今年ようやく古稀までたどり着いた。この先喜寿、傘寿、米寿、卒寿、白寿とあの世とやらまでの通過点が用意されているが、そんなに先まで歩いていくつもりはない。それは神様が決めてくださる事。「これでいいのだ!」 

何処までたどり着くか、神様にお任せする。行く先まで、ゆっくり回り道をして道草を楽しむ事にする。
私は「おもちゃ」を一杯箱につめこんで楽しんでいる。趣味などという上等な言葉は使わない……わたしのガラクタだ。退屈するとそれを出して楽しんでいる。「これでいいのだ!」

私は美空ひばりの「川の流れの様に」という曲が好きだ。上手でもないのにカラオケでよく歌う。「♪ポツリポツリ歩いてきた〜細く長いこの道〜振り返れば遥か遠く古里が見える〜道地図さえないこれが人生〜雨にうたれた〜ぬかるんだ道でも〜いつかまた晴れる日が来る」。この歌を聴くと私のような怠け者のダンゴ虫でも元気が出る。

数年前から「歴史の会」の仲間に加えてもらった。いろいろな所へ連れて行ってくださる。お蔭で多くの事を知ることができ、沢山の人と親しくさせて頂き本当に感謝している。これからも歴史の会の人たちの足手まといにならず、落ちこぼれない様しっかりついて行くつもりだ。「皆さんよろしくお願いしまーす。」